瑠璃がやけに碧のことを聞いてくるから、ついベラベラ話してしまっていた。


碧の趣味、性格、保育園の時の話、好きなタイプなど、碧の情報は瑠璃に筒抜けだった。


そしてある日突然、私と瑠璃の決定的な対立が起こったんだ。


『桜さぁ…碧くんのことどう思ってるの?』


あるお昼休み、鬼の形相をした瑠璃に、セミが盛んに鳴く体育館裏に呼び出された。


7月頭頃のことだった。


その日は猛暑日ですごく暑かった覚えがある。


『どうって、ただの幼なじみだよ?』


瑠璃の雰囲気がいつもと違うことがよく分かった。


けど、この時は、ただ怒ってるだけなんだと思っていた。


『幼なじみにしては仲良すぎじゃない?』


『…そうかな…』


背の高い瑠璃に睨み付けられ、萎縮してしまっていた。


この時強気に出ていれば結果は変わったかもしれないのにね。