ホントは…もっと距離を縮めたい。


小学生の時のように。


試合を観に行って、全力で応援して、月川家と星矢家合同でお疲れ様会を開いていたあの頃に戻りたい。


野球の話題が禁句じゃなくて、日常に溢れていたあの頃に…。


碧が私を定期戦に呼んだ意図はなんだったんだろう…。


碧は私にどうしてほしいんだろう。


……聞けない。


私たちの間で、触れちゃいけない腫れ物になっていて、何も聞けない。


でも、漠然と思うんだ。


マネージャーに戻りたいって。


碧を側で支えたいって。


そんなこと、口が裂けても言えないけど…。


「聞いてた?今の話」


碧の声で我に返る。


「ごめん、何?」


考え込むと周りが見えなくなるのは悪い癖。