友達とよべる存在がおらず、部活動等もしていない。
となると、放課後の予定はほぼないといっていい。

それでも諸事情が生じることに、自分でも少し驚いた。
掃除当番があり、日直が回ってくる。
宿題をやっつけないといけないし、たまには観たいテレビ番組もある。
そして月に一度は、女子特有の体の変調も巡ってくるのだ。

…といったことを、またも連れてこられた洸暉の部屋で、ぽつぽつと立ったまま口にした。

身勝手なやつだということは、重々承知だ。
それでも、どこまでも人をモノ扱いして支配してくるなら、最悪刺し違えてやろうかと、そんなことまで頭をよぎった。

失うものなどもうなにもない、それくらい孤独だった。

「じゃあダメな日はカレンダーにバツでもつけといて」
視線で促されて、肩透かしを食らう。

デスクの左上の壁に、升目だけのシンプルなカレンダーが画鋲で留められていた。
なんの書き込みもされていない。