志深。中部地方に位置する内陸県にある、過疎と高齢化が進んでいる、人口わずか数千人の地方都市。母の故郷にして、捨てたはずの場所だった。
『人の悪口と噂話しか娯楽がない場所』と母が折に触れてこきおろしていたおかげで、田舎町に張り巡らされたネットワーク網の強固さはひしひしと感じる。
母が娘を連れて東京からみじめに出戻ったことも、須田家の経済状況も、どころか母のパート先にいたるまで、ここではもう周知のことになっているはずだ。
来たくて来た場所じゃない。それでもここで暮らしていくしかない。
力なく寝返りを打つと、ベッドが軋んで悲鳴のような音をたてた。
『人の悪口と噂話しか娯楽がない場所』と母が折に触れてこきおろしていたおかげで、田舎町に張り巡らされたネットワーク網の強固さはひしひしと感じる。
母が娘を連れて東京からみじめに出戻ったことも、須田家の経済状況も、どころか母のパート先にいたるまで、ここではもう周知のことになっているはずだ。
来たくて来た場所じゃない。それでもここで暮らしていくしかない。
力なく寝返りを打つと、ベッドが軋んで悲鳴のような音をたてた。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)