結婚の挨拶から一週間と1日。


私は、川邊梢になりました。


「本当、梢が色々と…。
まだ信じらんない」


昼休みの食堂。


いつものように、ミヤコとの昼食。


私は今日も冷やし中華で、これがツワリなのか、ってくらいに、気分が悪い。


ただ、日中はわりとマシで、
夜になると吐く事もあるくらいに気分が悪くなる。



「梢が、極道の妻か…」


「その言い方辞めてよ」


それにしても、先週はとても忙しかった。


ミヤコには、あの結婚の挨拶の翌日である、先週の月曜日。


昼休みに外でランチをしながら、全てを話した。


そして、その日の仕事終わりに産婦人科へと行き、
私は妊娠6週目なのだと知った。


火曜日水曜日は特に何もなく。


木曜日の、七夕。

篤さんと二人、仕事終わりに私達の地元の市役所に婚姻届を出して、無事に入籍した。


その翌日の金曜日に、私達の結婚を会社に報告して…。


土曜日に、私は引っ越し会社を利用して、
自分の荷物を篤さんのマンションの部屋へと運び。


そこから、私は篤さんと暮らしている。


まだ、暮らし始めて3日だけど。


「それにしても、視線を感じるよね。
私じゃなくて、梢を見ているのだろうけど」


そのミヤコの言葉に、頷く。


会社で噂の的だった篤さんと結婚した私は。


今は社内の注目の的だろう。


会社に結婚の報告をして、まだ早いけど仕事上迷惑を掛けるかもしれないからと、
一部の人間に妊娠している事も報告した。


そうしたら、結婚だけじゃなくて、
その妊娠迄も会社中の人間に知られる事に…。


週が明け、今週に入って一段と色々な人から見られているという視線を感じる。