私の結婚の相手が篤さんなのもそうだけど、
妊娠の事も、両親には夕べ帰って来てから伝えた。


そして、私のその相手が篤さんだからか、
今日のその挨拶に、兄も呼ばれていて、
店を他の社員の子達に任せて、
篤さんが来る少し前に、我が家に来ている。



「篤さん、お久しぶりです」


玄関先、翼を抱いた兄瑛太は、
篤さんの顔を見て、とても嬉しそうな顔を浮かべていた。



「おう。
瑛太、マジ久しぶりだな」


篤さんも、兄と同じようにとても嬉しそうで。


それを見ている私も、なんだかとても嬉しい。



「本日は忙しい所、お時間を作って頂きありがとうございます」



私と兄の後ろに居る私の両親に、
篤さんは頭を下げている。


「篤君、本当立派になって。
昔と別人みたい」


母親は、懐かしそうにそんな篤さんを見ている。


「わざわざ遠い所出向いて貰って、ありがとう。
さあ、中に入って」


義父がそう促し、篤さんも、お邪魔します、と靴を脱いで、そこに用意していたスリッパを履いている。


チラッと見たその篤さんの顔が緊張しているのが分かって、
ちょっと、クスッと笑ってしまった。