「お前、コネ入社だったんだな」
「えっ?!私が?」
「えっ?」
私の驚きに、篤さんも驚きで返して来る。
コネ入社…。
そう言えば、私がベリトイを受けると義父に言った時、
「それなら、ベリトイのアニメの担当で公私共に仲良くしている人が居るから、
その人に、うちの娘が御社を受けるからよろしく頼むって、伝えておく」
義父が、そんな事を言っていたのを思い出した。
そして、その義父の漫画の[オバケのきもち]のアニメは、
ベリトイがスポンサーになっている枠で放送されているし。
そのグッズも、ベリトイからかなり販売されている。
それって、ズブズブ…。
「私、コネ入社だったんですね。
それも、ガチガチの」
てっきり、実力でベリトイに入れたと思っていたから、
なんだかスッゴい落ち込んでしまう。
「まぁ、俺程のコネ入社じゃあねぇだろうけど」
私の気持ちを汲んで励ましてくれているのだろうか?
やはり、こうしたちょっとした所が、篤さんは優しい。
優しいから、私を妊娠させて責任取らないと、って思ったのだろうか?
それとも。



