「めんどくせぇからストレートに訊くけど、
お前、妊娠してないか?」


妊娠…。


妊娠って、私が?



「妊娠なんかしてないですよ。
だって、私今まで篤さんとのあの一回しかした事ないのに。
そんな一回でするわけないじゃないですか」


思わず、笑ってしまうけど。


篤さんは、全然笑っていなくて。



「お前が意外に身持ちが固いのは、こないだで分かってんだけど。
お前、今までそう言う性教育とか受けなかったのか?」


そう言われると、小学生の高学年頃、そんなのあったっけ?と思い出す。


あの頃、既にどうやったら子供が出来るか知っていたので、
その授業でのその遠回しな説明が、
なんか白々しく感じたなーって。



「めんどうだが、少し遠回りして訊くが、
お前生理とかちゃんと来てんのか?」


生理…。


あれ?どうだっけ?と考える。


一応、アプリでその日の予測はしているけど。


どうだっけ?


私は、知らない間にこの部屋のテーブルの上に置かれている、
自分の鞄を見た。


あの中に、私のスマホが入っている。



「篤さん、あの私の鞄からスマホ取って貰っていいですか?
スマホのそれ系のアプリのカレンダー見たら、
分かるんで」



「いや。もういい。
お前のその感じで、大体分かった」


そう、溜め息を吐いている。