金曜日でそれなりに疲れが貯まっていたのか、
私はすぐに眠っていたみたいで。



パッ、と目を開くと、私のベッドサイドには、椅子に座る篤さんが居た。


私は本当に心臓が止まるんじゃないかってくらい、
それに驚いてしまう。



「篤さん、なんで此処に居るんですか?」


私は慌てて体を起こすけど、
ちょっとふらふらとして目を閉じてしまう。



「気分悪いなら、寝てろ」


そう言われ、再び寝転び目を開く。


篤さんは、そんな私を見ている。


その顔は、少し怒っているように見えるけど。


いや、この人は大体いつもこんな顔だ。



「なんで此処に俺が居るのか?って。
村上から連絡があったからだ。
お前が体調悪そうだから、店で寝かせているって」


村上…。


ああ、ケイさんの本名か。



「そうですか…」


ケイさん、なんで篤さんに連絡したのだろうか?


もしかして、私の篤さんの好意に気付いて、私と篤さんを引っ付けようとしてくれているのだろうか?



「お前が、俺の事嗅ぎ回ってて、
店に来たって村上が言ってたけど」



その言葉に、その通りで何も言えない。


そう聞く感じ、ケイさんは私と篤さんを引っ付けようとしているわけではないのだな。


だって、そんな風に聞いたら、篤さんの中で私のイメージが悪くなるだろうし。


「なんで、ケイさんは篤さんに私が此処に居る事を連絡したんですか?」


この人に訊くのが、一番真実を知るのに手っ取り早い。


私の保護者でも彼氏でもないこの人に、
なんでいちいち連絡したのか。