私もミヤコも一時間程残業した後、
軽くファミレスで夕食を済ませ、
そのホストクラブへと向かった。


その、ケイってホストが店に出るからなのか、
その店に入る迄待ち時間みたいな物があり、
店に入れたのは22時を回っていた。


元々長居はするつもりはないが、
終電の事を考えると、2時間も居られない。


初回の私達は、2時間飲み放題で5千円みたいで、時間的にそれでちょうどいい。


指名するなら指名料みたいなのも取られるみたいだけど、
それは、ミヤコが払うって言っていた。


そのミヤコの指名は、勿論ケイ。


ただ、その指名したケイが私達の席に着いたのは、
私達が入店してから1時間近く経った頃で、
その頃には、ヘルプで付いていたホストと、ミヤコはとても仲良くなっていて。


もう、ケイには興味ないみたい。



「指名ありがとう。
ケイです」


だからか、そのケイさんも私の横に座る。


そして、ケイさんは私に自分の名刺を渡した。


ミヤコはこちらをチラリと見ただけで、
明らかに年下だと思うその若いホストとベタベタと寄り添っている。



「二人はOLさん?」


そう私を見るそのケイさん。


カリスマなだけあるのか、その全身から出ているオーラが凄い。


けっこうイケメンだし。



「はい。
私達、ベリトイで働いているんです」


そう、伺うようにケイさんの顔を見る。


篤さんと知り合いなら、そのベリトイに反応するはずだと。


だけど、その顔に特に変化はない。