「にしても、2月22日の2時22分に生まれるなんて、スゲェよな」


そう興奮気味に話すのは篤さん。

生まれた日と時間は2が揃ったのだけど。


出生体重は、3600gと、わりと大きな女の子が生まれた。


今は、朝の5時前。



出産後、二時間程分娩室で休んだ後、
私と子供は病室へと運ばれた。


今、この病室には、私と篤さんと、生まれたばかりの我が子の三人。


その赤ちゃんは、ベビーベッドではなくて、
今、私と同じベッドで目を閉じてスヤスヤと眠っている。


後、少ししたら、看護師さんが一度
この子を、新生児室へと連れて行くらしいけど。


「もう少ししたら、お前の親と俺の父親に連絡するわ。
瑛太にも、一応LINEしとくか」


本当は、生まれそうだと家族には連絡するものなのだろうけど。


先程、電話しに行こうとする篤さんを私が引き留めてしまい。


生まれたのも深夜なので、
連絡は朝一にする事となった。



「けど、篤さん、寝なくて大丈夫?
今日、会社行くんでしょ?」


「ああ。後で一回家帰って、お前の入院の荷物も取って来ないとだな」


いつ出産と入院になってもいいように、
私の部屋にその荷物を纏めた大きな鞄を置いてある。


いざとなると、それを忘れていて持たずに病院に来てしまったけど。



「名前どうすっか」


篤さんは、人差し指で生まれたばかりの我が子の頬に触れている。


結局、名前がまだ決まっていない。



「私と篤さんの名前、漢字一文字だから、この子も漢字一文字の名前にしようと思うの」


それは、少し前から思っていた。



「ああ。それはいいな。
で、その漢字一文字の名前は何にすんだ?」