「それよりも、さっさとこっから移動しない?
こんな時間に公園でこんな風にたまってたら、
近所の人間が不審がって、警察とかに通報するかもしれないし」


そう言うのは斗希さんで。



「あ、じゃあ、せっかく懐かしいメンバーが一杯集まってるし、
今からうちの店でみんなで飲みません?
椅子とテーブル端に寄せたら、この人数でもなんとか入れると思います」


その兄の提案に、広場に居たみんなが盛り上がっている。


「じゃあ、俺は梢の事送ってから戻って来るわ」


そう言う篤さんの口からは、まだ血が流れていて。


そんな事より、病院に行った方がいいのでは?と思ってしまうけど。


スーツもワイシャツも血で汚れていて、
一度、着替えもした方がいいだろう。


「俺は、このまま失礼します。
篤さん、今日は久しぶりに会えて嬉しかったです」


そう言うヤクザの高杉さんに、


「待て。今夜だけ。
今日だけは、朝迄お前もいろ」


そうやって、篤さんは引き留める。


その二人のやり取りを見ていた周りも頷いていて。


「分かりました。
昔みたいに、騒ぎましょう」


高杉さんは、何処か嬉しそうにそう頷いた。