「なら、体だけの関係なら?
なんなら、一夜限りならどうです?
私、口は固いから、誰にも言いませんし」


その私の言葉に、告白した時よりも篤さんは反応したのがその目の動きで分かった。



「瑛太の妹に、んな事出来るかよ」


篤さんはそう言葉にすると、
自分の中でもそれが断固なる答えなのか、
真っ直ぐと私を見て来る。


もう私がこの人に何を言っても、断わられるだけだって分かるのだけど。


諦められない。


さっきは、大袈裟だと思ったけど、
私は何処かでずっとこの人が好きだった。


きっと、こうやってこの人と話せるのも、
これが最後のような気がする。


この人にとって、私は可愛がっていた後輩の、ただの妹なだけだから。


今が、この人に近付ける最初で最後のチャンスかもしれない。