「斗希、ありがとな」
斗希さんにそう言う篤さんの声は、
普通だけど。
斗希さんから私に睨むように視線を向けて来た。
「あ、俺、邪魔だろうし。
今日はこのまま帰る。
じゃあね、篤、梢ちゃん」
斗希さんは、なんとなく篤さんが私に対して怒っているのを感じ取り。
それに巻き込まれたくないと言うように、
そそくさと姿を消した。
「結局、あのベンダー事業部の奴に会いに行ってたのかよ?
そうやってのこのこ行って、本当にお前バカだよな?」
その感じが喧嘩腰で、私もその喧嘩を買いそうになるけど。
言い返したい気持ちを、ぐっと抑えた。
「確かに、向こうの思惑通り出向いて、私はバカかもしれないけど。
けど、別に私一人でも解決出来たと思うよ。
そりゃあ、斗希さんが来てくれて、スムーズにその話し合いは終わったけど。
だから、斗希さんに頼んでくれて、ありがとう」
「んな事じゃねぇんだよ。
お前があの男と二人で会う事自体がムカつくって言ってんだよ」
「うん。
そりゃあ、自分の嫁が他の男と二人で会ってたら腹立つっていう篤さんの気持ちは分かる」
「分かってねぇ。
お前は、絶対に分かってねぇ」
そこまで否定しなくても。
分かってるって、言ってるのに。
斗希さんにそう言う篤さんの声は、
普通だけど。
斗希さんから私に睨むように視線を向けて来た。
「あ、俺、邪魔だろうし。
今日はこのまま帰る。
じゃあね、篤、梢ちゃん」
斗希さんは、なんとなく篤さんが私に対して怒っているのを感じ取り。
それに巻き込まれたくないと言うように、
そそくさと姿を消した。
「結局、あのベンダー事業部の奴に会いに行ってたのかよ?
そうやってのこのこ行って、本当にお前バカだよな?」
その感じが喧嘩腰で、私もその喧嘩を買いそうになるけど。
言い返したい気持ちを、ぐっと抑えた。
「確かに、向こうの思惑通り出向いて、私はバカかもしれないけど。
けど、別に私一人でも解決出来たと思うよ。
そりゃあ、斗希さんが来てくれて、スムーズにその話し合いは終わったけど。
だから、斗希さんに頼んでくれて、ありがとう」
「んな事じゃねぇんだよ。
お前があの男と二人で会う事自体がムカつくって言ってんだよ」
「うん。
そりゃあ、自分の嫁が他の男と二人で会ってたら腹立つっていう篤さんの気持ちは分かる」
「分かってねぇ。
お前は、絶対に分かってねぇ」
そこまで否定しなくても。
分かってるって、言ってるのに。



