幼なじみじゃ足りないよ。




「……え?」



なに?なんて言ったの?



心臓の音が頭に響きすぎて、耳元でこぼされたはずの律の声が上手く聞き取れない。






「───やっぱ、幼なじみじゃ足りない」

「……え?」




やっぱ? 足りない?


断片的にしか聞き取れなくて、脳内でクエスチョンマークが飛び交う。



さっきから一体なにを言ってるんだろう?



そう思ったとき、ふっと体の重みが軽くなって。


やっと離れる気になったんだ、と心の中で安堵のため息を吐き出したときだった。





「衣奈のこと、好きなんだけど」




油断したわたしの鼓膜に、衝撃的な言葉が突き刺さった。