「っ」
唐突に図星を指されて、分かりやすく動揺してしまう。
けど、今は平然を装う余裕なんてない。
「衣奈は嫌だったの?」
「……」
「俺とのキス」
「っ、」
だから、なんでまた近寄ってくるの?
無かったことにしないってまだ言ってないけど、だからって近寄ってくるのは反則だと思う。
「ひゃっ……!」
「衣奈!」
律から距離を取ろうと身をよじると、動揺しすぎてバランスを崩してしまった。
おかげで仰向けに倒れてしまい、ただ倒れただけなのにものすごい羞恥心がわたしを襲う。
「……大丈夫?」
「……」
大丈夫だけど、大丈夫じゃない。
けど今は、それを言うのも恥ずかしい。


