自分からそう言ったくせに、そう言った途端さっきよりもずっと胸が痛んで泣きそうになる。
けど、今泣くのはずるいから、胸元をぎゅっと強く握りしめて笑顔をはりつけた。
もう、いいでしょ?
お願いだから早く帰ってほしい。
じゃないと律の前で涙がこぼれそうで耐えられそうにない。
「りつ───」
「無かったことにするってなに」
「……律?」
なんで怒ってるの?
さっきと同じように無理矢理顔を上げさせられて、至近距離で律と目が合った。
見つめてくる双眸は見るからに不満げで。
きゅっと強く下唇を噛みしめてうつむく。
「……だって、わたしと……なんて嫌だったんでしょ」
なんで不機嫌になっているのかは分からないけれど、さっき不機嫌になった理由は分かっている。
幼なじみとしか思ってない人とキスするなんて嫌に決まってるよね。


