「衣奈、どーゆー意味?」
「……」
でも、後悔してももう遅い。
感情が高ぶっちゃってつい勢いで言っちゃったけど、キスしてきた本人に 「あなたにキスされました」なんて、恥ずかしくて絶対に言えない。
「顔上げてよ」
「……やだ」
「……そんなこと言ってると知らないよ」
すぐ近くでそう聞こえたかと思うと、
「ひゃぁ!!」
急に左耳に生暖かい風みたいなものが当たって飛び上がった。
「し、信じらんない!!」
息吹きかけるとかありえないんだけど!
耳を押さえながら振り向くと、思ってたよりも近くに律の顔があって、それにまた驚いた。


