「律のバカ……」
それもこれも、律がキスなんかするのが悪いんだ。
「ほんと最悪。あんなやつもう知らない」
膝に顔をうずめて、悪態をつく。
「人を振り回すだけ振り回しといて何なのよ。……こんな気持ち、すぐに消してやるんだから」
そう言いつつも、一度芽生えた気持ちは簡単に消せないってことぐらい分かっていた。
だって、前もそうだったから。
必死に消そうとしたけれどどうやっても無理で。
結局は時間が解決してくれたようなものだった。
「今回も、そうなるのかな……」
と、そう呟いたとき、
────コンコン
部屋のドアがノックされた。


