「っ、はぁ……」 こんなにも家が近くて良かったと思ったのは初めてかもしれない。 学校から家まで徒歩で10分ほど。 それなのにいつもより遠く感じたのは、早く帰りたくて仕方なかったからだと思う。 「……あー、もう、頭グチャグチャだ」 そう吐き捨てながら自室のソファーに腰を下ろせば、座った途端、じんわりと溢れてくる涙。 よりにもよってまた“彼女”なんて…… 他の女の子ならまだしも、元カノはダメージが大きい。 自覚する前ならまだ気持ちに余裕があるから好きになんて絶対ならなかったのに。