幼なじみじゃ足りないよ。




「あ、春河さん!」

「……高崎くん?」



クラスが違うと普段そんなに会うことはないのに、なんでこんな複雑な心境のときに会ってしまうんだろう。


正直、律のことでいっぱいいっぱいで、好意を寄せてくれてる高崎くんと会うのも少し気まずいというか……



「この階にいるのめずらしいね!どこか行くの?」

「あ、うん、そうなの。先生に資料頼まれちゃって」



これは嘘じゃなくほんと。

トイレの帰りに先生に捕まっちゃって、忙しい先生の代わりに資料を取りに行く途中だったんだ。