『だから言ったでしょ?新城くんは衣奈のことが好きなんだって』



そう言われるのが分かっていたから、千雪にはバレたくなかった。


相談したら、絶対にそう言われると思ったから。

だって最近、律のことを相談するとそればっか言われるもん。


律がわたしのこと好きなんて、そんなことあるわけないのに。





「はぁ……」




もうため息しか出てこない。


ぶっちゃけ、避けるのももう限界だったりする。


家が隣ってこともあるし、親が仲良いってとこがもう逃げられない運命というか。


こんなにも気まずいのに、そういうときに限って律んちに用事頼まれたりするし、行けば絶対にいるから会わないわけにはいかない。



……あぁ、もう、今までこんな気まずいっていうか、恥ずかしい気持ちになったことないからどうしたらいいのか全然分かんないよ。