「っ、ばか……っ!」



そう力いっぱい叫ぶけど、肝心の律には届いていない。


なぜなら、律のバカは目をつむってわたしを見ていなかったから。




「あ、ありえない……」


どうやら律は人がいっぱいいっぱいになっている間に限界を迎えたらしい。



「~~っ」


文句を言いたくても、その相手が寝ていたらそれも無駄なわけで。




「もう律とは絶交だから!!」




でも、それでもやっぱり言わずにはいられなかったわたしは、小学生のケンカみたいな捨て台詞を残して部屋を飛び出した。