「り────」
離れたと思ったらすぐにまた律の熱に触れて。
柔らかいその感触に思考が完全に停止する。
「っ、り──」
まるで感触を確かめるかのように、ゆっくりと動く唇。
マスクを隔てているせいか、それが逆にわたしの羞恥心を煽っていく。
「っ、んっ……、」
経験不足のわたしには、そのもどかしい誘惑に抵抗する術は持ち合わせていなかった。
触れる時間が長ければ長いほど羞恥心に支配されていって。
それに耐えられなくなったとき、ようやく律の胸元を押し返すことができた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…