幼なじみじゃ足りないよ。




……何なんだろう。この気持ち。



抜け出したい気持ちでいっぱいなのに、今抜け出したら顔見られちゃうし。

かと言って、このままじゃ心臓が持ちそうにない。



どうしよう……


なんて思っていたら、ふ、と回されている手の力が緩んだ。



今だ!と反射的に顔を上げると、



「り──」

「行くなよ」



吐息が触れるほどの至近距離に律の顔があって。


それだけでも心臓がバクバクなのに、そんなすがりつくような目で見られたら、文句どころか何の言葉も出てこなくなる。