「律……!」
「───うつしたいって言ったら、どーする?」
「っ」
律の胸元に顔を埋めているせいか、さっきよりもずっと声が近い。
まるで耳元で囁かれているような、なんとも言えない妙な感覚に、思わずぎゅっと目をつむってしまう。
「うつしたら……あいつんとこに行けないでしょ」
加えて、風邪で声がかすれているものだから、
なんだか知らない人みたいに感じて……調子が狂う。律の……くせに。
「……なに、言ってんの。いいから離してってば……!」
無理矢理吐き出した言葉は、自分でも分かるほど震えていた。
いくら律が熱で朦朧としていて気づいてなかったとしても、こんなの自分じゃないみたいで、恥ずかしくて顔を上げられない。


