部屋に入ると、そこから先は遠慮なく、いつもの定位置であるベッド下の一人用ソファーへと腰を落とした。
ちなみに律はと言うと、自分が呼んだくせにベッドに寝転がっていて、起き上がりもしない。
「で、どーしたの?」
用件なんて電話でも言えるのに、わざわざ飛び出すってことはよほどの用に違いない。
と、そう思っていたのに。
「土曜日、試合見に来て」
顔も見ずに言われたのは他愛もないことで。
「え、それだけ?わざわざ呼んでおいて?」
お風呂後のまったりタイムを妨げられた結果がこれって。
「試合、11時からだから」
「いやいや、行かないよ」
っていうか、行けない。
だって、土曜日はサッカー部の試合の応援に行くって約束したし。


