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「え?今から?」
高崎くんと約束したその夜、珍しいことが起きた。
なんと、律から呼び出しがかかったのだ。
お風呂上がりだったから、とりあえず髪の毛だけ乾かしてから行くと返事をして、いそいで身支度を整えた。
と言っても、本当に髪の毛だけ乾かしただけで、他はさほど気にもせずいつものまま。
子供の頃からの付き合いだと、すっぴんなんて今さらだし、格好だってパジャマでも気にならない。
まぁ、好きだったときは乙女心というもので多少気にはしたけど。
「律ー、入るよ~」
「……どーぞ」
一応親しき仲にも礼儀ありってことで、入る前にはノックして許可をもらう。


