「予定、ないよ」
「あ、良かった!じゃあさ、土曜日の午前中、サッカーの試合があるから、応援に来てくれないかな?」
「えっ?」
「友達連れて来てくれてもいいから!……だめ?」
うっ……
ただでさえイケメンなのに、そんなジッと見つめられてお願いされたら、たとえ好きじゃなくても少しドキッとしてしまう。
「えっと……うん、いいよ」
なんだか断りづらくて、思わず承諾してしまった。
「ほんと!?やった!ありがとう春河さん!」
こうして高崎くんのサッカーを見に行くことになってしまった訳だけど。
まさかこれが律とのケンカの原因になるとは、この時のわたしは夢にも思っていなかった。


