てっきり昨日の話をぶり返されると思ってたから無視していたのに、まさか呼ばれていたなんて思わなかった。



慌てて顔をあげれば、千雪に指をさされて。


その指に促されて振り向けば、教室のドアから顔を覗かせている高崎くんと目が合った。



「ちょっと行ってくる!」



高崎くんに告白されたことはまだうわさになっていないけど、今まで接点がなかった高崎くんがわたしに会いにくるなんて、何かあると言っているようなものだ。


告白ぐらいそんなめずらしいものではないけれど、いざ当事者になるとものすごく恥ずかしい。


なるべくクラスメイトたちを目を合わさないように小走りで高崎くんの元へと向かった。