√セッテン

俺は河田を無視して、一気に自分の世界に入り込んだ。

仮にそいつをiとする。

iはケータイの待ち受けの変更もできない

ケータイの電源を落とすこともできない

不気味なカウントがされ続け

普通なら不安になる。

解約や修理を頼むかもしれない。

どっちにしても、カウントは進んでいく。

それは普遍だ。

そして最後の1日は

あの森先輩の待ち受けにも出た

私
死ぬの
だけどお前も
同じ思いをして
死ね

あの死刑宣告が下される。

そしたら、どうする?

間違いなく動揺……パニックするだろう

山岸絵里子じゃないが、幻聴も聞こえてくるかもしれない

iに恋人がいると仮定して、そいつをzとしよう。

iはzにすがるかもしれない

でもそのzを呼び出す手段は?

幻聴の不安を取り除くために、zの暖かい言葉を待つ手段は?

そうだ、持っているケータイでzへ発信する。

最愛の人zに会うために、電話する。

そして不安に泣く最愛の人を守ろうとして

zはiのケータイへ発信をするだろう。

そしてiのケータイに、zの着信が残る。

zが恋人だろうが親友、家族、何だろうが同じだ

ヒトは、最後には、大切な人に接点を持とうとする。


自分が最期かもしれないと思ったとき

手を伸ばそうとするのは、大切な人間だ。