魔女のリュシカは味噌汁というものを味わいます。帝都ランディーナにある路傍の屋台のカウンター席で。

「きつね色のお汁です。
なんとワカメや葱が浮かんでいますね」

什器に注がれた味噌汁をすすります。

あつ、だがなんとも香ばしい、それに塩加減も絶妙だね、アミノ酸が舌を刺激するな。

リュシカは味噌汁に手をつけました。
なんという幸福、なんという充溢。
そして、リュシカは深々と息をつくと、屋台の店主にお代わりを頼んだのです。