宝木さんは大きな会社の社長さんですよ、好きになるなんて。


   雲の上の人ですよ。


 ふーと、深くさとこさんが息を吐き、

 「もっと自分を甘やかしてあげなさいよ、相手が例え社長さんであっても、両思いになるだけが恋愛ではないのよ」



うん、うん、うん、と3人で腕を組みながら頷いている。




  恋には色んな形があるの。



 もう、元彼のことは忘れるのではなく、追い出すの、自分の外へ追い出すのよ、分かった?と言いながら私に、さとこさんがウィンクしてみせた。





  ……私、宝木さんが好き……