今宵、君と、あの場所で。

──怖い。

流星さんとは違う、真っ黒で人をばかにするような瞳がこちらを見据えている。

「……なんのためにこんなことを?」

分かってはいるけれど、時間を稼ぐために聞いてみる。

「馬鹿だねぇ?分かってるんだろ、自分が本郷の弱みであること。」

そんなことは分かっている。

もう後戻りはできないところまで足を踏み入れていることを。

流星さんに迷惑がかからないのなら、私はどうなったっていい。

ただ─、お母さんだけが気がかりだった。