「ここだよ。俺は外で待ってるから」

「そんな、待ってもらうのは申し訳ないです。忙しいのに」

「大丈夫。何かあってからじゃ遅いでしょう、ね?」


ね、に込められた眼力に負けた。

うん、不可抗力。

「分かりました。何かあれば置いていっていいですから」

彼が頷いたのを確認してから、ドアをノックした。