今宵、君と、あの場所で。


部屋を出ると、流星さんは壁に寄りかかって待っていた。

「お待たせしました…」

学校の制服しか見せたことがないから、恥ずかしくて俯いてしまう。

「美玖はスタイルが良いから、何を着てもかっこいいな」

そんな私をお構いなしに、褒めるつもりだったのであろう言葉が発せられた。

ただ、コンプレックスをピンポイントで疲れた感じがして、うるっと目が潤んでしまったらしい。

流星さんは慌てた表情になった。

「え…ごめん。俺、なんか地雷踏んだ?」

「うっ、なんでもない…んです…私の勝手な…エゴなんです…ぅ」

鼻をすすりながら弁解しようとするが、更に状況を悪化させるだけだった。

「え、ええっとちょっと待って、それ以上泣くと目が腫れちゃうよ?」

アワアワする若頭と、グスグスと泣く女子高生。

偶然居合わせた組員は、笑いをこらえるのに必死になり、誰も若頭に救いの手を差し伸べなかった。