今宵、君と、あの場所で。

ある日、いつものように部活に行き、暗い夜道を歩いている時だった。

「危ないっ!」

「きゃあ?」

後ろから聞こえた声に振り向くと同時に、身体に激しい衝撃がきた。

───キキィィッッ



ドサッ…

恐る恐る目を開けると、知らない男が覆いかぶさっている。

「きゃぁぁぁぁああ!」

思わず突き飛ばしてしまった。

「いって…」

「あ…ごめんなさい。そんなつもりじゃ…っ」

見たところ怖そうな雰囲気だ。きちんと謝ったほうが良さそう。

こっちを向いた彼は、私に手を伸ばして頬に触れた。

「へっ…?」

「ケガしてる。ちょっと来て。手当てするよ」

腕を引っ張って立たされ、向こうに止まっていた車に乗せようとした。