今宵、君と、あの場所で。

煌夜が終わったあと、流星さんの家に連れて帰ってもらった。

真っ暗な広い土地にそびえ立つ、巨大な日本家屋。

「ここは…」

「ああ、本郷組の本家だ。今日からここに住んでもらう。零もだ」

怖くなって無意識に握りしめた右手を、流星さんの大きな手が包む。

「大丈夫。美玖は俺の彼女だからね」

ぎゅっと握られたその手が頼もしくて、ドキッと心臓が跳ねる。

でも。

「偽物ですよ」

「でも彼女だから。全力で守らせていただかないと。明日、親父にあってもらうよ」

「ご両親にも嘘をつくんですか?」

「まさか。もう話してあるから。組員には彼女と伝えるよ」

そっか。まぁ流石に息子でも嘘はつけないよね。

「それとも秘密が良かった?」

「そんなわけ…!」

「それは残念」

そうやってクスリと笑った流星さんが、心なしかあのときの『彼』に重なって見えた──