今宵、君と、あの場所で。



「流星さん…」

「絶対に外に出るなといっただろう。なんで外に出た。どれだけ心配したと思っている…?」

いつもと違う、切羽詰まったような声色に、本気で心配していたことが分かる。

「ごめんなさい。流星さんについて教えてくれるって言われて…」

「俺について…?」

「私、全然流星さんについて知らなくて。フリだとしても彼女なら知っていないとおかしいかなって…」

怒られそうで尻すぼみになる。

「だからといってついていくことはないでしょ。聞いてくれればいくらでも答えてあげるよ。答えられる範囲で」

いつもの口調で優しく言ってくれた。

「さぁ、車に戻ろう。みんなが待ってる」

「はい!」

そう言って歩き始めた背中に、守られたいと思ってしまった。