「流星さん…」
「絶対に外に出るなといっただろう。なんで外に出た。どれだけ心配したと思っている…?」
いつもと違う、切羽詰まったような声色に、本気で心配していたことが分かる。
「ごめんなさい。流星さんについて教えてくれるって言われて…」
「俺について…?」
「私、全然流星さんについて知らなくて。フリだとしても彼女なら知っていないとおかしいかなって…」
怒られそうで尻すぼみになる。
「だからといってついていくことはないでしょ。聞いてくれればいくらでも答えてあげるよ。答えられる範囲で」
いつもの口調で優しく言ってくれた。
「さぁ、車に戻ろう。みんなが待ってる」
「はい!」
そう言って歩き始めた背中に、守られたいと思ってしまった。


