今宵、君と、あの場所で。



泣いて泣いて、そろそろ自分が乾ききってしまうんじゃないかという頃、家についた。

「若、どうされますか」

ドアを開けてくれた運転手さんが、流星さんに聞く。

…若?

「若はやめろ。それから、家に戻っていい。帰りは呼ぶ」

「はっ」

運転手さんはまた車に乗り込み、車は走り去った。

「家、上がっていい?」

「はいいっ」

こんなに何度も男の人を家に入れるなんて。

意識しちゃうじゃない。

「ご飯、食べますか?」

「作ってくれるの?ありがとう」

ニコッと微笑まれると、もう断れない。