「あ、流星さんじゃないっすか」

声が聞こえて振り返ると。

こんなところには似合わない、流星さんと違った感じの正統派イケメンが立っていた。

「久しぶりだな、(あらた)

「いやー、流星さんに会えるなんて、来てよかったっすねー。ところで隣の方は?」

「あー、俺の女。美玖」

完璧に私を彼女として言い振らしてる…

「あっ、はい。はじめまして、東美玖です!」

「ふぅん。流星さんってこんな子がタイプだったんすか?てっきり美衣奈さんと付き合─」

新さんの口から女の人の名前が出てきて、心臓が変な音をたてる。

……あぁ、そうだよね、こんなにかっこいいんだから彼女ぐらいいるよね。

なんでショック受けてるんだろ。

「俺が一目惚れしてさ。片思い中。な、美玖?」

「は、え、え?」

突然話を振られて、戸惑って言葉に詰まってしまう。

「そうなんですね。流星さん、応援しときます」

「あぁ、よろしく。じゃ、後でな」

納得してくれた?

「中入るか?」

「え、は、はい」

戸惑いつつも中に入ると、外見からは想像もできないような、ラグジュアリーな空間が広がっていた。