「さっき言ってた『有名な話』ってなに?」 流星さんが帰っていってから、零にさっきの会話について聞いてみた。 「あ、姉ちゃんには関係ないよ。でもマジで本物の流星さんカッコ良かったわー。いい人捕まえたじゃん、姉ちゃん」 今まで零と私の間にあった壁が、少しずつ崩れていく。 「流星さんってそんなに有名なの?」 「俺らの中ではね。それなりに。そのうち分かるよ」 流星さんのおかげで、そんな気持ちになれた夜だった。