──部活終わり。

今日は遅くならないうちに帰ろうと、駅に向かって走っていく。

……まぁ、遅くならないうちに、って言ってももう七時半なんだけど。

──ピコン

「…ん?」

こんな時間にメッセージを送ってくる人は限られる。

スマホをカバンから取り出そうと、立ち止まってゴソゴソと探っていると。

「退けよコラァ!こんなとこで止まるからぶつかっただろうが、ァ?」

見るからにヤバそうな人に絡まれてしまった…

こんな時は謝るに尽きる!

「…ひっ、す、すみませんっ」

「ごめんで済んだらサツ要らねぇんだよ」

かなり酷い言い掛かりだ。

こうなったら!

「私は端によっていた筈ですが。あなたがぶつかってきたんですよね?」

「アァ?生意気な小僧だな?痛い目見たくな―」

───ガンッ

男の声が途切れたと思ったら、大きな音がして、視界から消えていった。