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冬休みなんていうものは
瞬く間に過ぎて行き





新学期が始まった。





内倉 優亜 16歳
大した特技もなく
特別可愛いわけでもない





そんな私がこの度ーーーーーー





学年一のモテ男
紀田 裕也くんと
お付き合いすることに
なりましたーーーーーー






そして私は現在
ある集団から
逃亡している
最中でこざいます。







「「「うちくらぁああああ!」」」








「ぎゃあああああ!!くんな!」






「振ったくせに、また紀田くんと付き合ってるなんてあり得ない!!」







かれこれもう
30分くらい経つだろうか?
このエンドレス鬼ごっこ。






何故こんなことに
なってるかって?






それはもちろん
あいつの身勝手な
言動のお陰ですよ、ええ。





ーーー数時間前ーーー






いつものように
一人で学校へ向かう





あーあ、紀田と
地元が一緒だったらなー





そんな事を考えながら
歩いていると




「はよ」





いつの間にか
学校の正門に
たどり着いていて




声のした方へ振り向けば
相変わらず不機嫌な顔の
紀田がいて




「あ、紀田!おはよ」





「新学期そうそう元気いいな、お前。」





「まあね!!」




「ほら、早く行かねーと遅刻すんぞ?」





「あ!ちょっと待ってよ!」






先に歩き出していた
紀田の後を追っかけて
二人で教室へ向かったーーー





まず、それが
いけなかったんだ。





私と紀田の登場に
騒がしかったクラスが
一瞬にして凍りついた。





そして私に集まる
女子たちの痛い視線。





「なんで内倉と紀田が一緒に登校してんの?」





一人のクラスメイト
(仮に女子Aと名付けよう)が
私を睨み付けながら
質問をする





「え、あ、いやっ……これは」





慌てて誤魔化そうとするが
言葉が出てこない…………





紀田に助けを求めるべく
合図を送る





すると紀田は私を一別して
みんなに視線を向ける






これこそが最大のミス
紀田に助けなんて
求めちゃいけなかった。






奴は何て言ったと思う?






「お前らよく聞け。ゆあは俺の彼女になったから、手出すなよ?特に男子はな…………」






手出すなよ?





じゃねぇだろぉおおおおが!!!






何、包み隠さず
言ってくれちゃってんだボケ!





目をくわっと開いて
紀田を睨み付ける





すると奴はフッと
口角を釣り上げ
悪魔スマイルを
私に投げつけた。





こんにゃろっ!!!
後でしばいてやる!!