直哉は体操着をまとめて投げる。依枝奈は胸にクリーンヒットする体操着を受け止めて直哉を見た。ん、と顎で後ろを指す要に依枝奈も後ろを見た。
 カーテンに包まれたベッドは風でチラチラと中を覗かせていた。また視線を直哉に戻す。

「大丈夫だって。のぞかないから!」

 直哉の顔は真剣だ。
 依枝奈はペコリと軽くお辞儀してから入ってカーテンを閉めた。ずっと持ったままのパンをベッドに置くとブレザーのボタンを外した。濡れた制服をベッドの上に奥のは気が引けたので床に置く。下着までは濡れてなく、Yシャツも差ほど濡れてはいなかった。
 最後に体操着の上着に袖を通す。依枝奈は数秒、自分を見ていた。なんて体操着が似合うのだろうと、思ってしまう。
 依枝奈がカーテンを開けると背中を向けてた直哉がこちらを見る。

「制服は?」

 言われて依枝奈は制服を拾いあげた。手を差し出す直哉に何故か制服を預けてしまう。ブレザーとスカートはハンガーにかけ、用意してあったドライヤーをコンセントに繋ぐ。

「座りなよ」

 依枝奈はパンを持ち近くにあったソファに座った。先生が座る回る椅子に座っている直哉はYシャツを乾かしながら微かに笑う。