ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

頷く私。

恐る恐る手を伸ばして、クロちゃんに触れる。

奏多先輩に抱っこの仕方を教えてもらいながら、クロちゃんを抱っこしてみる。


腕の中にいるクロちゃん。

癒される……。

そう思っていると。



「みゃぁぁぁ」



クロちゃんが腕の中で暴れ出す。

ぴょんっとジャンプして、腕の中から飛び出した。

着地したクロちゃんは、奏多先輩の足元へ行ってしまう。



「うぅ、」



へこむ私に、奏多先輩は笑う。

もう少しクロちゃんを抱っこしていたかったな。



「まあ、慣れだからね」



フォローをしながら、クロちゃんを撫でる奏多先輩。

そうだよね。

“慣れ”は大事。

クロちゃんも、知らない人が来てびっくりするよね。