ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

ユウさんが目の前にいる。

それだけで幸せなことだと思う。



「奏多? その子、知り合い?」



ユウさんのお友達さんが尋ねる。

私たちって“知り合い”なのかな。

“友達”?


ユウさんはなんて答えるんだろう……、とソワソワしてしまう。



「秘密」

「えっ、なんで!」



ユウさんの言葉にドキッとした私。

“秘密”って、なんか特別な感じがする。

ひとりで舞い上がっていると。



「……通りたいんだけど?」



女の人のイライラしたような声が頭上から聞こえる。

見上げれば、女の先輩がひとり、立っていた。



「ごめんなさいっ」



我に返った私は慌てて、ノートを片付ける。

ユウさんもお友達さんも手伝ってくれる。


……この先輩、ちょっと怖い雰囲気がする。

危害を加えるとかの怖い、じゃなくて、存在感が強くて後ずさりをしたくなる。