ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

涙がぽたぽた、と落ちる。

床に涙の水たまりができていく。


こんな廊下の真ん中で。

ノートも散らばったままで。

たくさんギャラリーがいる中で。

私は涙を流し続ける。

目の前で少し困った表情をしている先輩は、私がずっと会いたいと思っていたユウさんなんだ、って。



「芽衣」



ユウさんが……、先輩が私の頭を、ぽんぽん、と撫でた。



「芽衣は本当に泣き虫だね」



そう言って笑う先輩。

涙で先輩の顔がぼやけて、よく見ることができないけど。



「……ようやく、芽衣に触れることができた」



電話越しじゃなく、耳元でささやかれた声はやっぱり甘かった。