ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

「じゃあ、コンテストの流れを確認するので……」



里紗先輩の進行のおかげで、逃げたくない、と思えた。

ここには、里紗先輩も奏多先輩もいる。

ひとりじゃないんだ。


私の感情を読み取ったのか、奏多先輩は握っていた手をぎゅっとしてくれた。

手と手から伝わる、いろんな感情。

この優しい手を離したくないな……。



「……と、いうことで、以上説明は終わります」



里紗先輩からの説明が終わる。

いよいよ、コンテストが始まるんだ。

緊張するし、変な汗もかく。

だけど、隣には奏多先輩がいてくれるから大丈夫。



「代表のみなさんは、ステージ裏に並んで待機してください」



里紗先輩の言葉に、私たちはステージ裏へ行く。


……どのカプルも幸せそうだな。

ふと、周りを見渡せば、笑顔を浮かべた参加者たちがいる。

でも、私たちも負けてはいないと思う。


だって。

私は奏多先輩の隣にいるだけで幸せだもん。

もちろん、コンテストは優勝したい気持ちもある。

だけど、こうしてステージに立てるだけで幸せなんだ。