ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

そう思いながら歩いていると、いつの間にか体育館に着いていた。

体育館に入る私と奏多先輩。

入った瞬間、体育館がざわめく。



「えっ、あれって結城先輩じゃん」

「隣にいる子って、いじめられている子じゃない?」

「てか、本当に付き合っていたんだ……」



学校中のカップルが集まる中、私たちは浮いているのかな、って感じた。

私たちというか、“私”が、という感じだけど……。


嫌な視線を送られる。



「しかも、なにあの格好」

「目立ちたいだけだろ」

「ドン引き」



チクチクとした言葉が私たちを包み込む。


怖い。

逃げたい。

やっぱり、私には……。


引き返そうかと思った瞬間。

私の手は奏多先輩に握られていた。

思わず奏多先輩の顔を見る。

そのきれいな顔は『大丈夫だよ』って言っていた。